「天体望遠鏡」 反射望遠鏡、屈折望遠鏡買うならどっち?

土星
天体望遠鏡がほしいけど種類があってどれを選べばいいかわからない
反射望遠鏡と屈折望遠鏡で何が違うの?
Amazonで安いやつはやめたほうがいいの?

こんな疑問を解消します。

 

ティロ
こんにちは! 大学で天文部に所属しているティロといいます。天文部では惑星、変光星、流星、太陽の観測をしています。

 

今回は天体望遠鏡の選び方を紹介します。

 

天体望遠鏡を選ぶ際に必要となる知識があるのでまずは、それを解説します。

望遠鏡の知識

有効径(口径)

対物レンズや主鏡の口径のことで、簡単にいうとレンズの大きさを表しています。この有効径が大きいほどより、光を集めることが出来るので暗い天体や倍率を上げても観測ができます。

 

F値

F値とは明るさを表しています。このF値が小さいほどより明るくなるため、暗い天体を観測することができます。

計算式は

対物レンズの焦点距離 ÷ 有効径 =F値

有効径が大きいほどF値が小さくなり、明るくなります。

 

倍率

倍率は対物レンズの焦点距離と接眼レンズの焦点距離できまります。

計算式は

対物レンズの焦点距離 ÷ 接眼レンズの焦点距離=倍率 

倍率は理論上、いくらでも上げることができます。接眼レンズの焦点距離を限りなく0に近づければ倍率は無限大になります。しかし実際は倍率を上げても適正倍率を超えると天体が暗くなり、観測が難しくなります。

例 ビクセンのR130Sf 焦点距離:650mm 接眼レンズ(アイピース):20mmの場合は

650÷20 =32.5  32.5倍となります。

適正倍率とは有効径の2倍程度といわれています。

接眼レンズの焦点距離を短くして倍率を上げても有効径の2倍を超えると天体が暗く見え、はっきりと観測できません。

 

アイピース

アイピースとは接眼レンズのことです。写真のように数字が書いてあります。これは接眼レンズの焦点距離を表しています。

接眼レンズ

 

6.3mm や20mmと書かれているのが接眼レンズの焦点距離です。

 

焦点距離

焦点距離とはレンズで集めた光が1点に集まるまでの距離のことです。この焦点距離が長いほど倍率が大きくなりますが、F値が大きくなるので暗くなります。

 

色収差(いろしゅうさ)

 

ティロ
色収差はちょっと難しいです、、 しかし色収差が分かると反射望遠鏡のメリットが良くわかります。

私たちが普段、見る光の色は可視光といいます。レンズが光を通ると屈折して進行方向が変わります。光によって屈折率が違うので進行方向がどれくらい変わるのかは光によって違います。

例えば赤は可視光の中でも屈折率が小さいので進行方向があまり変化しません。また青、紫は屈折率が大きいので進行方向が大きく変化します。1つに見える光が赤や青など色によって屈折率が違うため、別々の向きに変化し、結果的に1つの点に集まらず象がぼやけます。

これを色収差といいます。

もちろん赤、青、紫だけでなく中間のオレンジ、黄色、緑などすべての色で屈折率が違うので進行方向にずれが生じます。

屈折望遠鏡にはこの色収差が生じますがレンズを何枚も入れることで色収差で生じたずれを修正しています。

 

屈折望遠鏡のメリット

すぐに使える

屈折望遠鏡はレンズで鏡筒内が密閉されているので組み立てたらすぐに使うことができます。反射望遠鏡は密閉されていないので室内から屋外へ持っていき、すぐに使うと鏡筒内に空気の流れが生じて象がゆがみます。なので気流が収まるまで30分から1時間程度、時間を置く必要があります。

光軸がずれにくい

屈折望遠鏡は構造上、少し衝撃を与えたぐらいでは光軸がずれないようになっています。光軸がずれると初心者では直すのは困難なのでメーカーに依頼することになります。

 

屈折望遠鏡のデメリット

色収差があること

色収差により象がぼやけてしまい、ほとんどが色収差を小さくするためにレンズを複数枚にしています。このように色収差を限りなく0にするためにはレンズの性能を上げる必要があるため色収差が小さい屈折望遠鏡ほど高価なものになります。

 

反射望遠鏡に比べ大口径ではない

屈折望遠鏡は色収差を押さえるために、コストがかかるため反射望遠鏡と同じ価格の物と比べると口径が小さくなります。口径が小さくなれば適正倍率が小さくなります。適正倍率はおよそ口径の2倍です。それ以上、倍率を上げると象が暗くなります。

 

反射望遠鏡のメリット

屈折望遠鏡に比べ安価で大口径

反射望遠鏡は色収差がないため、安価で大口径です。口径が大きければ適正倍率も上がり、また暗い天体も観測できます。

 

色収差がない

光が屈折することで起こる色収差は反射望遠鏡では起こりません。屈折望遠鏡のように色収差によって象がぼやけることがありません。

 

反射望遠鏡のデメリット

すぐに使えない

屈折望遠鏡のように写真のように密閉されていないので屋外に持っていくと室内との気温差で空気の流れが起きて象がゆがみます。空気の流れが収まるまで30分から1時間程度、待つ必要があります。

反射望遠鏡

  反射望遠鏡の鏡筒の中

光軸がずれる

屈折望遠鏡は光軸がずれることはほとんどないですが、反射望遠鏡は衝撃を与えると光軸がずれます。ずれると初心者では直すことが難しいのでメーカーに依頼することになります。しかしビクセンなど有名なメーカーの反射望遠鏡は光軸がずれにくいように設計されています。実際、僕が使っているビクセンの反射望遠鏡は今年で4年目になりますが光軸がずれたことはありません。Amazonで値段に対して大口径な反射望遠鏡は光軸がずれやすいです。

 

オススメな天体望遠鏡

 

屈折望遠鏡

初めて望遠鏡を買う人や惑星、月を観測したい人向け 扱いやすい

反射望遠鏡

惑星、月に加え暗い天体、星雲などを観測したい人向け

 

初心者にオススメな望遠鏡

屈折望遠鏡

反射望遠鏡

この反射望遠鏡は私が使用しているものと同じです。