木星には70を超える衛星がありますが、今回は有名なガリレオ衛星について書いていきます!
ガリレオ衛星ってなに?
イタリアの天文学であるガリレオ・ガリレイによって発見された木星の4つの衛星です。木星の衛星の中でも最も大きく、双眼鏡で木星の周りを回っているところを観察することが出来ます。ガリレオ衛星は木星に近いものからイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストといいます。
次にこの衛星の特徴を一つずつ見ていきましょう!
イオ
太陽系の衛星の中で4番目に大きく、また最も密度が大きい衛星です。
天体 | 密度 |
イオ | 3.5 g/cm3 |
エウロパ | 3.0 g/cm³ |
ガニメデ、カリスト | 1.9 g/cm3 |
月 | 3.3 g/cm3 |
エウロパ、ガニメデとの重力との影響で潮汐加熱(ちょうせきかねつ)という現象が起きています。そのため火山活動が活発で400を超える火山があります。中にはエベレストを超える山もあります。またイオは大部分が硫黄と二酸化硫黄の平原となっています。二酸化硫黄は刺激臭のする気体で化石燃料が燃えると発生し、ぜん息や酸性雨の原因となります。硫黄はよく耳にしますよね。火山に行くと「硫黄の臭いがする」といいますが、実は硫黄は無臭であの卵の腐った臭いは硫化水素です。
潮汐加熱とは
まず潮汐とは月や太陽の重力の影響で海面の上昇や下降を起こしている現象です。潮汐加熱とは惑星の周りを回る衛星が楕円軌道の時、衛星内部で熱が発生する現象です。熱が生まれる原因は楕円軌道のため惑星と衛星の距離が変化し、それに応じて重力の大きさも変化します。すると球体の衛星は重力の変化で形がゆがみます。衛星の形が変化することで衛星内部で摩擦熱が生じます。この摩擦熱が潮汐加熱です。衛星が1つの場合、ほぼ円軌道になります。しかし衛星が複数あると衛星同士の重力の影響で楕円軌道になり、イオはエウロパとガニメデの影響で楕円軌道をしています。
重力の変化で衛星がゆがむところを簡単な図にしました。
地球と月とイオを比べるとこんな感じです。イオは月よりわずかに大きいです。
イオと月と地球の比較
エウロパ
「生命がいるかもしれない」といわれており、薄い酸素を大気を持っています。エウロパの内部には水の海があるという説があり、その海に生命がいる可能性があります。
太陽から遠く離れた地でなぜ水が液体のままで存在するのでしょうか?
エウロパはほぼ円軌道ですが、完全な円軌道ではありません。円軌道に近い楕円軌道です。なので木星にエウロパが近づくと重力が強まり、木星から遠ざかると重力が弱まります。この木星の重力の影響でエウロパは伸びたり縮んだりを繰り返し、内部で摩擦熱が生じて海の水が液体のまま保つことができます。大きさは月よりも少し小さいです。
ガニメデ
太陽系に存在する衛星の中で質量、半径が最大であり、水星よりも大きいです。金属の核を持ち、磁場が発生しています。内部にはエウロパと同様に液体の海があると考えられており、深さは100km以上で水の量は地球よりも多いと予想されています。またガニメデはエウロパと同様に生命がいる可能性があります。
ガニメデと月と地球の比較
カリスト
水星とほとんど同じ大きさですが、密度は水星の半分以下となります。カリストは岩石の核を持っていると考えられており、内部には海が広がっていると予想されています。しかし生命がいる可能性は低く、理由としては木星から遠いため潮汐エネルギーが小さくカリスト内部の温度が上がらないことが考えられます。
カリストと月と地球の比較